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屋内消火栓の設置基準や免除の条件を解説
消火設備にもいろいろな種類がありますが、商業施設やビルなどでよく見かけるのが屋内消火栓です。
どのような消火栓を設置するかは、業態や建物の構造の種類、面積によって決まるため設置基準が設けられています。
ここでは、屋内消火栓の設置基準や設置免除の条件などを詳しく解説していきます。
屋内消火栓の設置基準
屋内消火栓の設置基準は、防火対象物(※)と延べ面積、建物の構造で区分されています。
また、地階や無窓階、4階以上の階などは床面積が設置基準以上となる場合、たとえ設置しなければいけません。
防火対象物は、商業施設や遊戯施設、ホテルや旅館、飲食店、学校など細かく分かれています。
しかし、可燃性液体類や禁水性物質のような危険物がある場合は除外となるなど、施設によって設置基準の条件が異なるため確認が必要です。
確認の際には「屋内消火栓設備設置基準」を参考にしてください。
緩和規定について
緩和規定というのは、防火対象物の構造によって、設置基準面積を2倍もしくは3倍に緩和(倍読み)する規定のことです。
構造の主要部となる屋根や階段、床や壁などが耐火構造になっている、もしくは準耐火構造の基準を満たしている場合は緩和規定を利用できます。
緩和規定の2倍読みを利用するには、「主要構造部が耐火構造」であり、「建築基準法第二条第九号の三イ若しくはロのいずれかに該当+内装制限(難燃以上)」が条件となります。
3倍読みは「主要構造部が耐火プラス内装制限」が条件となっているので、いずれかに当てはまる場合は設置基準面積を緩和できるのです。
内装制限について
内装に、不燃材や難燃材のような燃えにくい材料を使って災の延焼を遅らせたり、消火活動をスムーズに行えるようにしたりする規制が内装制限です。
内装制限の対象は、現時点では壁と天井となっていますが、建築基準法と消防法で基準が異なるので注意してください。
例えば壁の場合、建築基準法は床面上1.2m以下に内装制限の適用はありませんが、消防法では床面上1.2m以下まで内装制限の規定があるので注意してください。
屋内消火栓の技術的な設置基準
屋内消火栓には主に4つの種類がありますが、それぞれに技術的な設置基準が設けられています。
種類ごとに放水能力や取扱方法などが異なるので、用途に適したものを選ばなければなりません。
ここでは、種類ごとの設置基準を紹介します。
消火性能に優れた1号消火栓
1号消火栓というのは工場や倉庫、指定可燃物貯蔵所・取扱所に設置する消火栓です。
屋内消火栓の中では易操作1号消火栓と並んで吐出放水量が大きく、操作をするには技術が必要になります。
また、取り扱う際には2人以上で使用するという決まりもあります。
放水量 |
130L/分以上 |
放水圧力 |
0.17MPa~0.7MPa |
ホースの種類 |
折りたたみ |
ホースの長さ |
15m×2 |
警戒範囲 |
25m |
水源水量 |
2.6㎥×消火栓個数(最大2基) |
手軽に扱える2号消火栓
ホテルや福祉施設、商業施設、医療機関などで使われる2号消火栓は、1号消火栓よりも水量が少ない代わりに、1人での操作が可能です。
そのため、誰でも手軽に取り扱えるのが特徴となっています。
放水量 |
60L/分以上 |
放水圧力 |
0.25MPa~0.7MPa |
ホースの種類 |
保形ホース |
ホースの長さ |
20m×1 |
警戒範囲 |
15m |
水源水量 |
1.2㎥×消火栓個数(最大2基) |
1人で操作できる易操作1号消火栓
易操作1号消火栓は、ほとんど1号消火栓と同じスペックを持っていますが、ホースの形が折りたたみではなく保形なので、1人でも操作が可能です。
放水量 |
130L/分以上 |
放水圧力 |
0.17MPa~0.7MPa |
ホースの種類 |
保形ホース |
ホースの長さ |
30m×2 |
警戒範囲 |
25m |
水源水量 |
2.6㎥×消火栓個数(最大2基) |
扱いやすい広範囲型2号消火栓
広範囲型2号消火栓は、操作性が2号消火栓と同じなので扱いやすい消火栓です。
水源量は少ないですが、水平距離は1号消火栓と同じなので、安全に消火活動ができます。
放水量 |
80L/分以上 |
放水圧力 |
0.17MPa~0.7MPa |
ホースの種類 |
保形ホース |
ホースの長さ |
30m×2 |
警戒範囲 |
25m |
水源水量 |
1.6㎥×消火栓個数(最大2基) |
屋内消火栓は条件によって設置が免除される
設置基準に該当している建物であっても、設置の免除ができる場合があります。
設置免除の条件は、「屋内消火栓の代わりとなる消火設備が設置されていること」です。
例えば、水憤霧や不活性ガス、スプリンクラーなど消火活動ができる設備が設置されている場合は、それらの消火設備の有効範囲内であれば設置が免除されます。
後付けで必要になったらどうすれば良い?
リニューアルや改装などで無窓階になったり、倉庫や工場で増床したりすると、消防法の適用条件が変わることがあるため、屋内消火栓を後付けしなければならないことがあります。
消火栓の設置は水源や消火栓ポンプを設置したり、配管や給水、電気工事をしたりする必要があり、大規模な工事と費用がかかってしまいます。
もし、後付けが難しい場合は、動力消防ポンプやパッケージ型消火設備の設置を検討してみましょう。
ただし、これらの消火設備は設置条件が決まっています。
そのため、どの建物にも設置できるわけではありませんが、条件に合えば代替えも可能なので専門業者に相談してみましょう。
屋内消火栓は基準を守って設置しよう
屋内消火栓には、設置基準だけでなく技術上の設置基準があります。
設置をする際には細かい基準をクリアしなければならないので、面倒に感じることもあるかもしれません。
しかし、万が一火災が発生したときには初期消火に最も役立つ消防器具なので、建物と人の命の安全のために基準を守って設置しましょう。
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